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搾乳でえられた、乳が酒になる?そう、お酒ができるんです。

酒をつくるためのアイラグである
 














タラグを木のタルにいれ、攪拌しながら2~3日おくとホルモグというとても
酸っぱい酸乳になる。さらに4~5日発酵させ、いわゆるアイラグ、馬乳酒とは
べつの「酒をつくるためのアイラグ」となる

発酵した酸乳の樽、多くの乳酸菌がそこにはある














毎日、搾乳されたミルクは、行程をへて酸乳のタルに補充される。乳酸菌などは
木のほうがいいようだ。日本でも老舗の味噌や醤油工場では、
壁に酵母菌などが付着することで伝統の味を護っているということを
聞いたことがある


加熱される発酵乳、これからが楽しみだ














ストーブに大きなナベをのせ、ここにこの「酒をつくるためのアイラグ」を
なみなみとあける。写真のように底のないタルをかぶせ、そのうえにまた
タライのような大きなナベをのせ、水をいれる。ようするに蒸留する
わけである。トゴーブリヘルという蒸留器だ

トゴーブリヘルという蒸留器をなべにあてがう












加熱された「酒をつくるためのアイラグ」からでた水蒸気は、水をいれたナベの
底で冷やされ、水滴になり、あつめられる。写真のようにうつわをぶら下げる
ものと、木のへらでそとのうつわにいれる方法がある

蒸留器のうえの器に草原を潤す、冷たい水をそそぐ
















夏のモンゴルでも水は冷たい。30分おきくらいに、4~5回とりかえる。
10リットルの「酒をつくるためのアイラグ」から約3リットルくらいできる。
よくできた、シミアルヒはオヒといい、いい”酒” ”アルヒ”だ


そとに流すには受け取って別の容器に流す













できあがったシミアルヒだ。アルコールは約18度で飲み口は日本酒のようで、
冷もいいが熱燗もいい。モンゴルらしくトス、脂も浮いている。
めったに見ないがアルズという酒がある。2回、再度蒸留するのである
アルコール濃度は当然高くなる。さすがにこれはお目にかかったことはない・・・

出来上がった酒「シミアルヒ」である

















18度くらいの日本酒ににたような酒・・・モンゴルらしく脂もういている・









いい酔いももまわってきた。いよいよ最後の段階である・・・つづく

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遊牧民・・・家畜の草を求めて移動をつづけながら生活する。遊牧文化のもっとも
大切なものは搾乳と去勢だといわれるそうだ。太古、野生のヤギやヒツジを、また
ウマやラクダなども捕らえ、オスを去勢することで”むれ”をつくることができた
ゴビでの遊牧、朝の搾乳





















うひとつは搾乳である。それら家畜にした動物から乳を搾りさまざまに加工する
ことで農耕をしない”民”のビタミン源となる・・・なるほど、そういったことだったの
だ。乳酸菌など微生物がささえる草原のくらしである

搾乳は遊牧文化の大切な仕事だ











モンゴルでは乳製品は60種類ちかくあるといわれる。日本の約4倍の
広さのモンゴルであるしさらにモンゴル文化圏全体だと、名称のちがい
や、製造工程のちがいもあるだろう。ここに記述するものは、わたしが
取材で見て、記録たものです。ご理解いただきたい。また、ご意見が
あればをいただければと思います

乳製品は日本でいう漬物、味噌や醤油のようだと感じる。

漬物でいうと本格的に大根を干して、糠で漬け込んで沢庵をつくるか、キュウリを
塩でころがした浅漬けも、どちらもお新香でつうじる。モンゴルでも困ったのは
一般のモンゴル人でも「アーロール」としてすすめてくれても、いただいたのは
「ハスタンビャスラグ」だったりする・・・

家畜の搾乳は遊牧文化の大切な仕事だ



















ミルクはモンゴルの五畜である、ウシ、ウマ、ラクダ、ヒツジ、ヤギのそれぞれ
から絞るが、ウマとラクダは馬乳酒といわれるアイラグとなり、これからの
乳製品はウシ、ヒツジ、ヤギのミルクでつくられる

●ウ ル ム

搾乳は1日に2回おこなわれる。絞りたてのミルクはガーゼなどで濾してゴミなど
をとり除き、大きなナベで30分ほど加熱する。その後、15~20分ほど柄杓で
あわ立てて静置する。一晩すると表面に写真のような厚い膜ができあがる
これがウルムである。下の白いものはビャスラグ、軟質のカッテージチーズ

静置すると脂肪膜、ウルムができる



















棒などで湯葉のようにすくい、サラにもる。表面は少々パリッとして、内側は濃厚
なクリームでパンにのせて食べると最高の朝食となる

ウルムをすくい、食す・・












そして、のこったウルムは別の鍋で、焦げないよう1時間ほど熱する。すると黄色
い油が出てくる。シャルトスといい黄色い油の意味で、さまざまな乳製品に混ぜ
いれることなどに使われる。

この行程でのこった”おから”のようなものはツァガントスという。直訳すると
”白い油”だがタンパク質だ。小麦粉を混ぜたりしてハイデマグという食べものになる

ウルムを加熱し、シャルトスをつくる

















下左の写真のパリパリしたもの、右下のレーズンを入れたものもハイデマグだ

砂糖を入れることもある。おもしろいことがある。シルクロード、ウイグルなどでは
ブドウは干して保存食にする。モンゴルにもつたわって、ウゼムという

そして、果実としてのブドウはオッスンウゼムという
意味は”水のブドウ”ということだ

加熱し、砂糖やレーズンをいれハイデマグをつくる




















●タ ラ グ

ヨーグルトのことである。ウルムをとったのこりの大量のミルクはボスンスーと
いわれ完全ではない脱脂乳で、モンゴル語では、スーはミルクのことである
大きなナベににのこったミルクが、ある程度冷めてきたら、つくりおきしてあった
タラグをスターターとして混ぜいれる。そのまま室内のベットなどの下などで、
朝まで静置すると大きなナベいっぱいのタラグとなる

みな大好きで、放牧の作業での、お茶などのときに食したりする。ドンブリにいれ
よく食べる最後はペロペロ舐めてきれいにするのが礼儀で、日本ではまぁ・・・
行儀わるいということだが・・・

また、タラグの容器にこびりついた”のこりもの””カス”という意味でホッスムが
あり、子どもたちがよくつまんでいる。下の写真はさらに発酵乳をつぎたす
さらに発酵させ、ホルモグという酸乳にする

●エーツギー

上記のような行程でボスンスー、完全ではない脱脂乳を放置、加熱し水分を
なくしたもの、もしくはこれから出てくる。シミアルヒという酒をつくる行程で
のこったアルツというもなどでエーツギーという硬質のチーズにする
これは酸凝固という現象で、カッテジーチーズとおなじである

ここで、いわゆるホエー、乳清でシャルオス(黄色い水)を取り除かず、天日で
干して乾燥したのがエーツギーで、そのため写真のように黄色く、
また褐色になっている

乳精、シャルオスの黄色がのこる乳製品











日本でもそうだが、モンゴル人もそれは食べ物に好みがある。ヘンティ県のダダル
村では盛んにこのエーツギーばかりをつくるお宅をうかがったことがある

●ホリソントス / アルツ

ウルム</B>をタルで秋まで5~6ヶ月発酵保存したもの、また次の項ででる
アルツを、ウシなどの乾燥した胃や腸に詰めて保存する。その熟成した味は
格別なようだ

ウシの乾燥した胃袋につめてつくる乳製品













 

熟成したアルツはモンゴルの冬の取材中、肉ばかりで便秘になったとき、これを
少量、ナベであたためていただいたことがある強烈な酸味であるが、

棚におかれた乳製品の数々





















効果はてきめんだった・・・
 

2月3日は節分だった。本来は季節の始まりの前日をいう、立春、立夏、
立秋、立冬が季節の変わる日で、季節を分ける意味があるという

裃を羽織り、豆を撒く。鬼は~外、福は~内!





















節分での豆まきは、宮中でずいぶん古来より行われていて、
やがて庶民にも浸透していった。
鬼は~外!福は~内!といって、大豆を炒った豆を撒く、
神社や寺院などでは飴やお菓子なども撒く。
落花生をつかうところもあり、雪で豆が見えなくならない
ようにするためだという

節分豆は大豆を炒ったもの、落花生もある。右は豆鉄砲










また一部では縄に柊(ヒイラギ)に鰯(イワシ)の頭を付けたものを門にかける
地域もある。柊のトゲトゲと鰯の頭の臭みでの邪気払いである

トゲトゲの柊と鰯の頭の魚臭さで邪気を払う









大阪などでは、恵方巻きなる海苔巻きを、丸かぶりする習慣がある。
切らずに、かぶりつくことでの縁を切らない、厄落とし・縁起担ぎの意味が
あるようだ。
毎年、縁起のいい方向が示され、今年は西南西だそうで、
この方向を向いてガブリ!

恵方巻き、今年は西南西が縁起のいい方角、この恵方を向いてガブリ!











最近では便乗商売でさまざまな恵方巻きが出てきている。
ところで、鬼のパンツは虎柄だ。なぜか?陰陽道での十二支の方角で、
北東の方角が丑(ウシ)と寅(トラ)の方位が鬼門になるからで、
牛の角(ツノ)と虎の模様のパンツということだそうだ。

七草がゆをつくりました。蘿蔔(すずしろ)は大根、菘(すずな)は蕪なんですね
仏の座(ほとけのざ)御形(ごぎょう)薺(なずな)芹(せり)繁縷(はこべら)は
なかなか区別するのがたいへん。今はセットで売っているんです
なんとか撮影しました
春の七草
 





















おいしいお粥でした
七草粥






















午後は湯津上から黒羽とドライブ。鬼おろしが売っていました
栃木名物「しもつかれ」の季節です

鬼おろし




 

















 

モンゴルへの道は遠い・・・
北京から空路で向かうと眼下には極寒のゴビ沙漠が広がる放射冷却で冷え切った大地、煙がたち昇る











日本での天候との関係にも大いに影響している。
北アルプス、標高3000mを超える穂高に3週間ほど滞在したとき、毎日ラジオで
気象通報を聞き、天気図を描いた

モンゴル、さらに北のバイカル湖、チタなどに停滞している巨大な
シベリア高気圧。これが南下して日本全体を包んでくれないと快晴に
恵まれない。また下手に南下すると日本海に2つの低気圧を発生
させ厄介なことになる。よくある二つだま低気圧で擬似晴天など判断を
惑わせる・・・

河も凍りつく極寒の大地





















そんな高気圧のど真ん中にやって来たわけである。零下30~40度、
時には50度をも下回る。大地は凍てつき河も凍りついている。
また一帯は永久凍土地帯でもある。そのため、ゴビ沙漠ではところどころに
オアシス(湧き水)が点在する

白い大地を走る列車










陸路でモンゴルに行くとなるとまずは鉄道である。線路はモンゴルでは
ロシアと同じ広軌で1524mmある。イギリス基準の標準軌1435mmは
各国で採用されているがロシアは当時、ヨーロッパなどからの侵略を
防衛する意味もあり、モンゴル以外ではフィンランドのみで広軌とした経緯がある

台車交換をし走りつづける










シベリアでの鉄道の役割も大きく、スペイン内戦のあと大量の戦車を
日本軍と衝突した、ノモンハンに送り込んでいる。
さて、そのレールのゲージ(幅)であるが、国境で台車を交換する。
各車両は大きな倉庫のような車庫に入れられ4箇所をジャッキアップし
台車を交換するのである。そのため、国境の駅の線路は両方の線路が
敷かれている

ゴビ砂漠に張られる国境の柵






















もうひとつの国境越えは車である。国境の町、二連には北京から
夜行寝台バスで来た。2人が立っているのが国境の柵で、遠くに見える
アーチが中国側の国境事務所(イミグレ)である。
こういった陸路の旅は素晴らしい光景も与えてくれる。雨の北京を出た
列車はモンゴルに入り、ゴビ沙漠の駅、サインシャンダに着いた。
夜明けの太陽が薄れゆく雨雲を鮮やかに染めた・・・

昨夜からの雨が揚がり、朝陽が雲と駅舎を照らす 

 
















 

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